なかなか良いですよ~ その8
「魚河岸ものがたり」森田誠吾著
吾妻商店で扱う鰹節のことからまず語られますが、なんといってもマグロの輪切りに出合うところは絶妙です。
「見上げるばかりのケースの中は五段に仕切られ、ガーゼに巻かれたマグロの輪切りが、光る断面を見る者に向けて並べてある」「最上段の右から、一キロ七千五百円を筆頭に、下段左の千三百円まで、三十通りに値をつけられたマグロが、きちんと間合いをとって標本のように陳列されていた」諸国珍味専門・岩木屋にやってくる素人か食堂経営者か分からないお喋りのおやじ。
このお客に悩まされて、なんとか来てもらいたくない、と店員たちは伝えようとします。
